話をするということ

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話には、意味よりももっと大事なものが含まれることがあります。

 今週の毎日スキルアップ通信は「話す力」をテーマにお届けしました。

 話し方のルールに共通するものがあります。
 それは、話は短ければ短いほどよいというルールです。
 短い話が喜ばれるということを肝に銘じれば、人前で話が少々滑ってもまず嫌われることはありません。落語のように人を喜ばせる特別の話法を持っていれば話は別ですが、長く話した方が喜ばれるとか、話が短すぎて失礼に当たるというようなことはありません。

 ところがプライベートな世界あるいはインフォーマルな場においては事情が異なってきます。

 意味を伝達するためだけに人は話をするのではありません。
 意味はどうでもいいけど話をすること自体が目的になることもあります。

 たとえばエレベーターの中で同じビルで働く人や同じマンションに住む人と一緒になったとします。

 黙っていると気まずい空気が流れるので、差し障りのない会話を交わしたりします。
 一番多いのが天気の話ではないでしょうか。
 別に天気の善し悪しがその人の生活に大きく影響しているわけではないのに、大げさに天気がよければ気持ちがよいですねと伝え、天気が悪ければさも憎々しげに語ったりします。もっとも、空梅雨の時期で農作物への影響が取りざたされているときは別ですが、天気の良し悪しは晴れか雨で判断されるようです。

 この場合、天気のことはどうでもいいいのです。
 会話することに意味があるのです。
 人は話をしていないと不安になることがあります。
 会話をすれば、その人が安全な人であることがわかってほっとしたりします。
 他愛のない会話でもそのときはその人と同じ空間でつながっているのです。
 もし、相手が好きな人や尊敬している人であればこの上ない喜びではないでしょうか

 もちろん、人と話すこと自体に苦痛を感じる人もいます。
 いわゆる話し下手の人です。
 誰も彼もがおしゃべりになれと言ってるわけではありません。
 ただ、どんなに話し下手であろうと、人は人との関わりなしでは生きていけないものです。

 たくさんの人に愛想良くしろとは言いません。
 フォーマルな場で話し下手かもしれませんが、プライベートの世界で本当に心から許せるパートナーや友達がいればそれが一番だと思います。

 親しい人以外とのコミュニケーションは生きていくために受けなければならない授業みたいなものだと思えばいいのです。

 話には、意味よりももっと大事なものが含まれるときがあります。

 幸せは自分が大事にされることで得られるものではありません。
 幸せは自分が大事にしたいと思う人がいることで生じるものです。

 幸せは人から与えられるというより人に与えて感じるものです。
 形があるなしは構いません。
 言葉だけでも十分です。
 いつまでも、与え続ける人生でありたいと思います。

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