大坂の中小企業が力を合わせて人工衛星「まいど1号」を造りだした話は有名ですが、その中心人物となった株式会社アオキの社長、青木豊彦さんの講演を聴きに行ったことがあります。
青木さんは、中小企業が金にもならない人工衛星づくりに、どうして死に物狂いになってまで取り組むことになったかその理由を講演の中で話してくれました。
青木さんは、中小企業に勤めることで若い従業員に悲哀を感じさせてはいけないんだと思ったそうです。
青木さんは若い男女の合コンの話をある本を読んで知りました。
それは、青木さんの生き方に影響するような話でした。
本に書かれていた合コンでの出来事は次のような内容でした。
その合コンは、まだ大学を卒業して社会人に成り立てぐらいの年齢の若者が集まって開かれたものでした。
どの合コンもそうであるように、参加している男性は有名企業に就職している人もいれば名もない中小企業に就職している人も参加していました。
婚活中の女性にとっては男性の勤め先は重要な判断要素となります。
最初にそれぞれが自己紹介することから始まりました。
有名企業に就職した若者Aはぼそっと企業名を述べると、まわりからため息がもれてきました。
次に中小企業に就職した若者Bの番になりました。
「自分は○○会社に勤めています。そこの社長はすごい人で・・」と元気よく話しはじめました。
普通なら、有名企業に勤めた方は胸を張って企業名を言い、聞いたこともない企業に勤めた方は小さい声で謙遜して自己紹介しそうなものですが、若者AとBの態度はまったく正反対でした。
一通り紹介が終わった後、AはBに話しかけました。
「僕の会社は有名かもしれないけど、自分がやってる仕事は先輩に言われ、
資料のコピーや使い走りばかり・・・ちっとも面白くない。
だから会社名を言うたびにまわりの反応と自分の置かれている状況と
にギャップがありすぎてつらいんだ。おまえはいいよな。会社のこと
そんなに生き生きと話せるんだから・・・」
青木さんはこの話をするくだりですでに涙ぐんでいました。
大企業の下請として苦労を重ねてきた青木さんは中小企業の悲哀を痛いほど感じているから出た涙です。
青木さんは自分のところに勤めている若者が合コンに出たとき胸を張って会社名が言えるだろうかと思いました。
それが人工衛星「まいど1号」の開発への原点にもなったそうです。
青木さんは講演会に従業員をたくさん引き連れて最後尾の座席にずらりと座らせて自分の話を聴かせていました。
人工衛星までつくれるすごい会社ですから、ここの従業員は胸を張って自分の会社名を言うことができるはずです。
そして何よりも、青木さんの行動力と熱い語り口に従業員のみならず誰もが社長のためならついていこうと思っているのではないでしょうか。
これからも優秀な人材が青木さんの会社に入ってくるはずです。
企業を成長させようと思うのなら経営者は、しっかり自己アピールできるものを持ち、トップ営業ができる人でなければいけません。
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