齋藤孝さんがこのたび出された新刊「貧乏のススメ」では、現代日本を代表する安藤忠雄さんの「貧乏力」が紹介されています。
安藤さんは、「貧乏を力に変える達人」でした。
子どもの頃からお家が貧乏で、しかも勉強嫌いで、大学に行くことができません。
安藤さんは自身が著した『建築家 安藤忠雄』のなかで、最も苦しかったのは何をどう学ぶか自分で考えなければいけなかったことだそうです。
【本日の紹介図書】
『貧乏のすすめ』
齋藤孝 1,575円(ミシマ社 2009.10.4)
まず、建築系の大学で用いられている教科書を買い集め、これらを1年で読破する計画を立てました。
アルバイト先で、パンをかじりながら読み、夜も、寝る間を惜しんで読みました。
そこには与えられるものを待っている受動的な心は一切ありません。
あるのはいちばん大切なものを自らの手でつかみとろうする「野生の感性」でした。
貧乏なので他の手段は与えられません。
自分で買った本を読み通すしかないのです。
安藤さんは20歳の頃、書店でフランス語で書かれたル・コルビュジエの作品集と出会います。フランス語は読めないけれど、図を見ればだいたいわかります。
「これだ!」と直感しますが、先立つものがありません。
目立たない場所に隠してその日は帰り、以後、何度も書店に入ってまだ売れていないことを確認して、さらに積み上げられた本の下に押し込める作業を繰り返しました。
結局、手に入れるまでに1ヶ月を要します。
ル・コルビュジエの作品集は安藤忠雄に買われて幸せであったと思います。
本一冊の価値は、読む人の渇望度によって決まるからです。
貧乏でもハングリー精神のない人もいれば、お金持ちでもハングリーな人はいます。
松井秀喜選手はチームへ貢献したいとの一心で幾たびの故障も乗り越え歯を食いしばり、そして自らの活躍でチームをワールドシリーズ優勝に導きました。
彼もまた、高額の契約金でお金持ちかもしれないけれど、安藤忠雄のようにハングリー精神を維持し成功を勝ち取った日本人の代表といえるのではないでしょうか。
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野生の感性 を感じさせることも感じることもなくなっていました。
本当は今の会社を取り巻く状況を考えれば、今こそ必要なはずなのですが・・。
安藤さんにしろ、斉藤さんにしろ、一冊の本を手に入れるために大変な思いをしたのですね。その本から得られたものは、きっとかけがえのないものだったろうと思います。
これはと思う本はどんどん買うものの、読めずに積んでいる自分を恥ずかしく思いました。
「ハングリー」とは、経済的な貧しさではなく、貪欲な意識を持ち続けることではないかと、松井選手の例から感じたところです。
すずボスさん
私も含め周りは飼い慣らされた家畜やペットばかりです。野生を取り戻さなければいけないですね。
マーさん
同感です。私も長いこと本に対して喉から手が出るほどほしい思ったこともないし、わくわく心を躍らせてページをめくったこともありません。子どもの頃の方が本に対する思いは純粋でした。貪欲さを忘れないようにしないといけないですね。