以前は、親父さんのような社長がいて、従業員はまじめに働いていればその社長のもとで定年まで勤め上げることができました。それは中小企業だけでなくある程度規模の大きな企業も同じでした。
高度成長期を経て消費者にモノが行き渡り、以前のような成長が望めなくなると、経営者は以前より比べものにならないくらい難しい舵取りを迫られるようになり、誤った判断で会社が大きく傾くケースも増えてきました。
そのうち、「会社は誰のもの」という論議が盛んにされるようになり、形骸化した取締役会の機能を強化しようとか、アメリカのように株主の力を大きくしようという動きが出てきてきました。
日本でもアメリカのように投資ファンドが株を買い占めをするようになりました。
ところが、アメリカの金融バブルははじけ、投資ファンドの力はかげりを見せています。
【本日の紹介図書】
『榊原式シンプル思考力』
榊原英資 1,000円(幻冬舎 2009.7.10)
『榊原式シンプル思考力』の著者榊原英資さんはこれからは会社は従業員のためになければならないと主張します。
「会社は従業員のために」
原点回帰が重要であると説きます。
2008年にポーター賞を受賞した東海バネ工業は顧客を大切にし1個からでも注文を受けるようにしています。
従業員は会社のために働くのではなく、顧客にいかに満足してもらうか考えて働くようにしています。
「会社のために仕事するな。自分のために、家族のために働け」が社長の口癖です。
ただ、従業員を大切にするからといって、以前のように仲良く平等にワイワイしていたのでは厳しい経営環境を生き抜くことはできません。
とがった従業員がたくさん育て、彼らが思う存分働くことができる社風を経営者はつくっていかなければいけません。
成果を上げた人にはそれなりの報酬が与えられ、できない人には経験を重ねた従業員が家族のように手取り足取り教え込むような会社にしていかなければいけません。
東海バネはとがった人材も育て、ボトムも底上げするようにしているそうです。
徹底した社員教育が今日の繁栄に結びついています。
野球で言えば、監督がチームを強力に引っ張って北京五輪を戦った星野ジャパンよりも、監督はマネージャーの役に徹しとがった選手達の個性を十分に引き出した侍ジャパンのスタイルが今後求められるのではないかと榊原氏は本の中で述べられています。
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「従業員のためにある」というのは、従業員の立場にすれば企業は家族を含めて生活を依存する対象ですから、企業はこの考えを理解、尊重しないといけないと思います。
一方で、従業員の生活を守るためには企業が発展しなくてはならず、その先にお客様をしっかりと見据える必要があります。
お客様、企業、従業員の関係が、うまく回ることで関係者全てがハッピーになれるのではないでしょうか。
マーさん
ある企業に伺ったときに離職率はゼロですと総務課長がおっしゃるのでその秘訣を聞いたらマーさんがおっしゃるように従業員だけでなくその家族も会社の一員と考えていると答えられていました。工場では一度退職された方が再雇用の形で出勤し新卒の高校生に機械の扱い方を教えていました。家庭的な雰囲気は会社の外にも伝わるものです。お客様も含めてみんながハッピーになれる企業はいいですよね。
野球の星野監督だったでしょうか。選手の奥さんの誕生日に花束を贈っていた(変な意味ではなく ^_^; )というエピソードを聞きました。家族を大事にしてくれる会社は裏切れませんよね。
そういう土台があって、皆でお客様のために、お客様の笑顔を思いながら商品が造れたら最高でしょうね。
すずボスさん
会社で大切にされていると思えば、お客様にもその気持ちが出ますよね。以前、私の住んでいる地域の旅行代理店で上昇志向が高く部下につらく当たる支店長から部下を思いやる優しい支店長に代わったことがあるのですが、窓口の女性の表情もがらりと変わったのには驚きました。人間に本来備わっている仲間になりたいという本能に人も組織もそむいてはいけないと思います。