森永のホットケーキミックスを一度は食べたことがあると思います。
子どもの頃、お母さんにつくってもらって、今は子どものために自分がつくっているという方もいらっしゃることでしょう。
森永ホットケーキミックスの発売が始まった頃は、簡単で便利な"インスタント食品"として大評判になりました。それから50年たった今はレンジで何でもチーンの時代です。
ホットケーキミックスは面倒で手のかかる商品に変わってしまいました。
この地味で平凡な定番商品の売上は下降線をたどるばかりでした。
ところが、森永製菓の社員續木映里さんのマーケティング力によりこの商品の売上げを増加に転じさせることができたのです。
【本日の紹介図書】
『脱広告超PR』
―広告を信じなくなった消費者を動かす「連鎖型」IMC
山田まさる 1,680円(ダイヤモンド社 2009.7.2)
粉もの商品はどうしても「調理」に一手間をとらせてしまいます。
續木さんはその一手間に価値を見いだそうとしました。
「今の時代にどんな価値があるのだろう?」
消費者へのインタビューを繰り返す中で、ホットケーキミックスを買っているお客様の心に気づきました。
今はコンビニ行けば美味しそうな洋菓子はたくさん売ってます。
それでも一見地味で、手間のかかるホットケーキミックスを買ってきて、つくってあげる理由は、「食材に対する安心感」と、自分が親にしてもらったように子どもに一手間かけてつくってあげる「愛情」や「親子のコミュニケーション」でした。
さらに、續木さんの脳にビビッと来たのがたまたま雑誌で目にした脳科学者、川島隆太東北大学教授の書いた「脳を鍛えるちょっと不便な暮らし(ホットケーキを親子で作りましょう」というコラム記事でした。
續木さんすぐに行動を起こし川島教授に会いに行きます。
そして續木さんの粘り強い交渉により東北大学との産学官連携による「ホットケーキ調理が親子関係にもたらす可能性」の共同研究が始まります。
2年後の2008年9月9日、森永製菓と川島教授は共同研究の成果を記者発表しました。
当日集まった記者の数は75社、120名、テレビカメラは10台というから凄いものです。
発表を9月9日に設定したのは「親子でCOOK(くっく)の日」として記念日に制定するためです。
「脳にもよい」し、「親子とのコミュニケーションにも役立つ」というアピール性が記念日の趣旨とうまくマッチし、スポーツ新聞や、テレビのワイドショーでもどんどん取り上げられました。
PRは一時的な効果に終わらず、その後もマスコミで取り上げられ、2008年の売上は前年比を上回りました。2008年は原料費高騰の影響で800グラムを600グラムに減らすという実質的な値上げを行ったにもかかわらずです。
明日、12月7日からの毎日スキルアップ通信のテーマは『消費者の心を動かすクリエイティブ思考』をテーマに関連する書籍をご紹介する予定です。
お楽しみに。
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営業活動をやって居られる方にとってはお客様の心を動かすというテーマは直接脳に響いてくると思います。
私の場合、直接お客様に触れる機会が少ないので、当面は工場で正しい(?)方向に導きたい人員や部下、上司の心を動かす活動につなげたいと思います。
そう言いながら実際は、自分がどう動くかなんだ、と自分でしかり続けなければ・・・。
マーケティングを行う場合に大切なことを、ホットケーキミックスの復活を果たした續木さんから学ぶことができました。
不勉強で知らなかったのですが、IMC(総合型マーケティング・コミュニケーション)という手法があるのですね。
発想を広く持って、「ビビッとくる」チャンスを増やすこと、「きたら」すぐに行動すること、これは日常的に心がけたいと思います。
すずボスさん
人事管理に、生産管理、すずボスさんの肩にのしかかってくるものは大きいものがありますね。製品やそれに付随するサービスを生産者側からでなく、メーカーあるいは消費者側からみることができる視点を部下たちが持てるよう、ここはすずボスさんの力で上司や部下を響かせてください(^^)・・・なーんて、ふがいない自分をさておいて言ってはダメですよね(笑)
マーさん
私もIMC(総合型マーケティング・コミュニケーション)という用語は初めて目にしました。昔はマスメディアを利用して大量かつ一方的に宣伝を流せば必ず商品の認知度を上げ売上を伸ばすことができましたが今の時代はそれだけでは商品は売れなくなっています。従来の広告の概念にとらわれない自由で大胆な発想に基づくコミュニケーション手法で消費者の心を響かせなければいけなくなりました。そのためにはマーさんのおっしゃるとおり「ビビッとくる」チャンスをつかみとる力と行動力が必要になってきますよね。その足がかりを得るのはどうしたらよいかについて明日からのメルマガのテーマにしたいと思っています。