「忘れ得ずして忘却を誓う心の悲しさよ」と続けば戦後大ヒットしたラジオドラマ「君の名は」の冒頭で語られるナレーションです。実際にラジオを聴いたわけではありませんが、「忘却」はどこかせつない響きをもった言葉です。
ところが「忘却」はいつの頃からか悪者扱いされるようになります。
勉強のできる子は、たくさん暗記し、一度覚えたことを忘れない子でした。
勉強のできる子は、いい学校を出ていい会社に勤め日本の高度成長を支えてきました。
【本日の紹介図書】
『忘却の整理学』
外山滋比古 1,260円(筑摩書房 2009.12.10)
でも、今は低成長時代。
中国などアジア諸国の急速な景気回復を横目にわが国の経済は牛の歩みのように鈍く、来年は再び成長が止まってしまうのではないかという心配もでています。
こういう時代に、覚えたことを忘れない勉強のできる子は役に立ちません。
実際に高学歴で使いものにならない部下を持ち苦労している人は多いはずです。
なぜ、役に立たないかというと「忘れない」ということは新しいことを「覚えない」、「創造できない」と同義語だからです。
吐く息があればこそ吸う息があるわけです。
体にたまったよくない空気を吐き出すことで、新鮮な空気を体内に取り入れることができます。
年忘れも新たな誓いを立てる新年にとっては必要な行事と言うことができます。
仮に人間がコンピュータのように覚えたことを忘れない動物であったなら、世の中は同じ考え方しかできないクローン人間の集まりになって味気ないものになってしまうことでしょう。
『忘却の整理学』の著者外山滋比古さんは、人はそれぞれ価値観、好悪、利害関係などにより「忘却」の仕方が違うからこそ情緒や個性が生まれるのだと述べています。
昨日、今日あたりで帰省のピークを迎えると思いますが、ふるさとも遠くにあるからこそ心に美しい心象風景を描き出すのであって、盆暮れ正月に欠かさず帰るようにしていればふるさとに対して特別の感慨にふける機会もそれほどないと思います。
行き場のない失業者を救うため派遣村など緊急の生活相談窓口が国内各地で儲けられていますが、たくさんの国民が温かい場所で家族といっしょに過ごすこの時期に、せめて寒い思いをしないで過ごして欲しいものです。
さて、話があっちにいったり、こっちにいったりしていますが、今日こそは机周りの整理に徹し、積極的な「忘却」に努めようと思います。

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「情緒」や「個性」のあり方についての、外山滋比古さんの考えたかはすばらしいと思います。人はみんな違っているから個性があり、それぞれの存在が尊重されるべきだと、私は考えています。
国レベルの経済指標よりも、生きる人間が尊重される継続的な社会が、今の日本に必要なように思います。「年越し派遣村」なるものを作らせてはならない、人々が共存できる社会に近づく2010年であってほしいと願います。
今年1年のメルマガ、ブログ、本当にありがとうございました。新年もよろしくお願いいたします。
干支の中で実在する生物で最も生命力のあるとされる「寅」にあやかって、新たな年を力強く生きていきましょう。
外山滋比古の忘却のあり方から個性が生まれるというのは、人として大事なことだと思います。しかし勿論、会社としては基本的な考え方があまりあれこれあっては拙いこともあります。
個性と社員の考え方、やはり上司によって安定するかどうか決まってきそうですね。
さて今年は『心』を思うことが多くありました。経営者としてやれと言われても出来ないかもしれませんが、管理職として少しずつ部下の心を考えるようになってきました。何とか来年はもう少し上手くアウトプットを考えます。何とかなるような気がします。
正にkouguyさんやコメントを投稿される方々のおかげです。心より ありがとうございました。
マーさん
そうですね。一人ひとりの尊厳が大切にされないといけないですよね。今、テレビで紅白歌合戦をやっていてにぎやかな音楽や笑い声がこだましています。大晦日の夜は誰もが友人や家族など親しい人たちで集まり今年の出来事や来年の抱負が語れるような世の中になってほしいです。来年は、もっともっと元気がでるような記事を書いていきます。ともにがんばりましょう(^^)
すずボスさん
何でもかんでも自由で好きなようにしていい会社であったらすぐに潰れてしまいますよね。最低限は守らないといけないルールの中でいかに発想を広げるかが問われると思います。あらかじめ制限があった方が人間自由な発想ができるのかもしれません。すずボスさん、マーさんたちのアウトプットのおかげでメルマガさらに今年はブログまでさんさんと輝かせていただきました。本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いします。