小説の楽しみ方

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本を好きになる子どもの体験は皆たいてい似ているようです。
 昨日メルマガで紹介した吉永賢一さんにしても、今日紹介した茂木健一郎さんにしても、小学生の頃から大人の本、子どもの本、区別することなく夢中になって読んだ体験を持っています。
 現実を忘れ異世界の時空に入り込んでしまう感覚を味わうためによい意味で本の中毒になっています。
 むしろ、そういう快感を味わったことがない人がいまだに本に対して抵抗感があるのではないでしょうか。

【本日の紹介図書】
 『「眼力」をつける読書術』
   吉岡友治 1,575円(東洋経済新報社 2009.11.20)

 

子どもの頃に朝から晩まで小説の中に入り込んでひたすら読んだ体験がある人とない人ではその後の読書体験に大きな差が出てくるようです。
 もし小学生ぐらいのお子さんをお持ちでしたら、ぜひ上記のような読書体験を子どもにさせてください。
 小説はこれからの読書体験の基礎となります。
 絵空事で何の知識も得られないではないかとは思わないでください。
 小説はいつ・どこで・誰が・何をして・どうなったの連続です。
 論理構成力が身につきます。
 さらに今日のメルマガで説明したディティールに浸ることで右脳も鍛えることができます。
 ドストエフスキーの『罪と罰』について考えてみましょう。
 当時のロシアの特定の時間や空間が絡み合わなければ主人公がとった行動(殺人)の意味がわからないかもしれません。
 今風に読んでしまうと現代の日本の若者の絶望、秋葉原の連続殺人などと重ね合わせて読むことになるかもしれません。
 19世紀のロシアでなぜこのような小説が書かれたか知りたければ、ロシアの歴史、社会体制、首都ペテルスブルグの環境などについてある程度予備知識が必要になってきます。
 小説は読む人にとってリアリティがあればよいわけだから、今日のメルマガに出てくる茂木さんのような読書体験もありだと思います。
 でも、明日メルマガで紹介予定の吉岡友治さんは小説は楽しむために読むのもいいですが、あまりに好き勝手に空想すればよいものではないと述べています。
 小説を読み解くにはルールがいるという考え方です。
 特に時代背景はとらえなければ同じ小説を読んだ他の多くの読者との共通理解は得られません。
 川端康成の『伊豆の踊子』はエリート学生と踊り子の淡い恋物語をつづったものですが、旧制高校の生徒が当時超エリートで、踊り子が生活のためには売春だってする社会の底辺の人々という理解が最初になければ平坦な恋物語で終わってしまいます。
 時代状況と考え合わせると小説の読み方も変わってきます。
 今の団塊の世代の青春を描いた村上春樹の『ノルウェイの森』がなぜ世界中に翻訳され現代の若者に読まれているのか考えながら読む読書も左脳も鍛え面白いのではないかと思います。

 

           
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コメント(6)

社会人になって小説をとんと読まなくなりましたね。どうしても業務に必要な知識や自己啓発の本を読んでしまいます。
一字一句、著者の豊かな表現に思いを馳せながらの読書も、別の意味で必要かもしれません。
以前、「リング」を速読で読んでしまった事があります。確かにストーリーは理解できたのですが、全く怖くなく、面白くもありませんでした。あぁ...やってしまった、と後悔したのを覚えています。

私も読書は好きで、子供も小さい頃はカミさんが一生懸命読み聞かせしてました。そういう母と子のつながりも本という玉手箱がもっている魔法かもしれませんね。
でも最近は携帯で読書だとか、いろいろな形態の本が出てきています。大人は分別をもって読めばそれなりに意味を感じることが出来るかもしれませんが、子供が初めて本を開く時には漏れなく母親の愛情がついてきて欲しいです。
でも今日ご紹介頂いた有名人は父親のポリシーが染み込んでいたんですね。・・・・もう遅い・・

私は子供のころに科学読み物に凝っていて、実は小説にはあまり接していませんでした。感性が乏しいのはそのせいかもしれません。
でも、本を読むことに抵抗がないというよりも本が好きになれたので、まずはよしとしたいと思います。
すずボスさんのコメント、私の仕事に直接関わる、とてもうれしい内容です。子供が初めて本を読むときに母親(父親も)の愛情がついてきてくれることが、とても大切だと思っています。親子で共に同じストーリーを追う、愛情に包まれた中で何度も何度も同じ展開に安心感をもちながら子供の感性と認識が深まっていくのではないでしょうか。
時代のせいもあるでしょうが、私の幼いころには親と本を読んだ記憶がありません。読書に親の果たす役割は、とても大きいと思います。

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