社会学は一見堅そうな学問ですが、これを取り入れることで自分の社会における「立ち位置」が見えてきます。
先が見えない時代、不安に押しつぶされそうになることもありますが、自分の「立ち位置」をとらえることで、これからどう生きればよいかも見えてきます。
大学で社会学を教える先生たちの共同執筆で現代社会をわかりやすく的確に切り取って説明してくれる本がこのたび出版されました。
【本日の紹介図書】
『考える力が身につく社会学入門』
浅野智彦 1,500円(中継出版 2010.2.24)
この本では個人の問題だけでなく現代社会のシステムや問題点を鋭くとらえ大胆な政策提言まで行ってています。
その一端をご紹介します。
「派遣切り」という言葉がすっかり社会に定着しました。
正社員でよかったと思っている人、これから学校を卒業して自分は正社員になろうと思っている人、ほんとうに大丈夫ですか?
生涯正社員で働き続けることが困難な時代になっています。
現在働いている人の6割以上が一度は転職していると言われています。
非正規雇用者になるのは本人の問題だなんて言ってる人は現代の労働市場、雇用システムについて考えてみる必要があります。
非正規雇用が増えているのは景気が悪さだけが原因ではありません。
企業自体が非正規社員の活用を重視しているのです。
また、仕事では自分のやりたいことができないという意識を持っている若者が以前より増えています。
近頃の加熱したキャリア教育も影響しているようです。
会社を選ぶ要因に「能力・個性が生かせる」「仕事が面白い」を選ぶ若者が増えているそうです。
たとえ入社しても「今の仕事は自分に合っているのだろうか」「もっと自分に合った仕事があるのではないだろうか」と自分に問い続けることになります。
そして数年も経たないうちに会社を辞めていきます。
悲しいかな、正社員から転職者のうち3人に1人は非正規の職に就いています。
男性の平均年収。正規雇用の場合は574万円、非正規では323万円。
現役から退職後まで生涯に換算すると正規と非正規の間で1億6千万円の差が出るそうです。
非正規だからといって労働条件が緩和されているわけではありません。
正規職員と変わらないくらい残業させられたり、苦情電話の受付などつらい仕事が回されたりしています。
この本では現代の就労環境・システムを大胆に改善する策としてベーシック・インカムとワークシェアの導入を提唱しています。
ベーシック・インカムとは基本的に条件をつけずにすべての人の生活を保障しようという考え方です。
生活保護者に一定の就労を義務づけるような複雑なシステムはやめて一律一定の所得を保障する政策です。
働かなくてもお金がもらえるようにするのです。
もちろん財源問題をクリアする必要があります。
現在の複雑な手続きや管理を必要とする社会保障や税制等を全部チャラにして収入のある人から少々税を多くとれば可能であるそうです。
そうすれば、いろいろなリスクや思惑にとらわれることなく本当にやりたい仕事を見つけ、家事や育児に専念したり、地域活動にも力を入れたり多種多様な就業モデルが目の前に広がることになります。
働かず最低の生活を選ぶ人もでてくるでしょう。
でも、よりよい生活をしたいと思うのは人間の本能です。
この政策の導入により、少なくとも人間らしい仕事とは呼べない現在の非正規雇用に対しては働く側から「NO!」と言えるようになれます。
働かざる者食うべからずという昔から考え方から脱するのは容易ではないでしょうが・・

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お久しぶりです。本日からまたよろしくお願いします。
先日、非正規労働の方の話を聴く機会がありました。ある大企業をリストラされ、一生懸命に職を探したのですが、非正規労働で、しかも低賃金で超多忙だそうです。
より良い条件の仕事を探そうと思っても、とてもではないが時間がとれない。仕事を選ぶ余裕がなく就いた職から身動きが取れなくなってしまったそうです。
一度環境が崩れたときに、生きていくのがやっとという現状を社会学からとらえて、ベーシックインカムという仕組みを作るのはある意味のセーフティネットなのでしょうか。
このような制度ができれば、ほとんどの人は、働くことに生きがいを感じ、より良い生き方を選択するのだろうと思います。
お久しぶりです。これからまた宜しくお願い致します。
すずボスも転職を経験しましたが、非正規雇用という選択肢はありませんでした。今なら苦渋の選択をせざるを得ないのかもしれません。
ある程度年齢を重ねた人間も悲劇ですが、今から働こうという意欲に燃える人が、不安を抱えながら身動きとれないという方が苦労は長いかもしれませんね。
少なく成り行く若い労働者が活力を失わないように、是非ベーシックインカムを確立して欲しいと願います。
「自分にもっと合う仕事があるのではないか」、恐らく仕事だけでなく、誰もが今の自分のやっている事が正しいかどうか、疑問を持つことがあると思います。私は「迷いは弱さだ」と考えています。どうなるか分からない、でも精一杯現在の役目を果たす。一生懸命やった結果、今の仕事が合わないと思えば転職もありでしょう。でもそこには迷いも無い訳ですし、一生懸命やった結果として得られるもの、次の職に活かせるものがあるはずですので、次の職でも力強く進めると、そう思います。
マーさん
ご無沙汰でした。先日、ある県で高校や大学新卒者の未就職者を就職させる新規事業の説明会が行われていました。新卒者を企業が雇ってOJTやOFF-JTを実施すれば雇った企業に人件費を補助するという事業です。1年限りの事業で、次年度以降も継続雇用をお願いしたいけれど絶対の条件ではないということでした。説明を聞いた大学の就職相談窓口の職員が「とても学生にお勧めできない事業だ」と怒気をあらわにしていました。まともに卒業しても正規の職に就けない学生を毎日のように見ているその担当者には、如何にもとってつけたような事業に見えたのでしょう。中途半端なセーフティネット事業は全部やめて、ベーシック・インカムにした方がよいのかもしれませんね。
すずボスさん
派遣切りという言葉がまだ新鮮に聞こえた頃は、好きで非正規雇用の道を選んだのだから自業自得だと平気で言うコメンテーターもいましたが、もっと根の深い社会的な問題だったんですよね。誰が悪い彼が悪いというレベルの問題ではないと思います。自分たちの人気やお金、権力にしか興味がない政治家にはご退場いただいて、社会学、人類文化学など日本中の叡智を集めてこれからの社会の制度について話し合ってもらうわけにはいかないのでしょうか。
くーじゃんさん
そうですね。何もやらないうちから迷うのは弱さからくるものですよね。失敗したらどうしようとか、うまくいかなかったらどうしようといつまでもクヨクヨしていることが一番よくないと思います。さらに突っ込んで言うなら、失敗するかもしれないとか、失敗してもいいからがんばるというのも潜在意識に失敗の種を植え付けるようなものでよくありません。目の前のことに絶対やり遂げるという信念で思い切りぶつかることで道が開けるのですよね。